あおいうに《断片的な記憶の掲示板》

2025

コルクボード、キャンバス布、トレーシングペーパー、画鋲、アクリル

A4(210×297mm)

これは私の記憶ではないが、ずっとここにあった気がする、どこかで見慣れてような風景だ。本作は、なかったがあったような記憶の断片をコラージュとして構成したインスタレーション的絵画作品である。絵の具や紙、手描きのドローイングは、「記憶の断片性」や「感情の多層性」を表している。画鋲というメディアを用いることで、「留められるが、剥がされる可能性もある」不確かな記憶の在り方を暗示している。 掲示板とは、本来情報共有の場でありながら、個人的な領域でもある。 その矛盾こそが、現代の記憶や感情の在処に近いのではないかと考える。